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「“ひきこもり女子会”で勇気と仲間得た」

「私自身、小学2年生から不登校になり、中学校はほぼ通っていません。リストカットをしたこともある、ひきこもりの経験者です。生きづらさを抱える女性に交流できる場所を提供したいと『ひきこもりUX女子会』(以下・UX女子会)を始めました」

 

そう語るのは、UX女子会・主宰の恩田夏絵さん(31)。UX女子会は、’16年6月〜’17年7月で計20回開催され、のべ700人もの女性が参加した、ひきこもりの自助会だ。UXとは、「ユーザーエクスペリエンス」の略。ユーザーであるひきこもり当事者が自分の体験を生かして発信することで、ニーズに合った支援を行うという理念を表している。

 

’16年に内閣府が発表した調査結果によれば、全国のひきこもり人口は54万1000人。そのなかで男性は63.3%、女性は36.7%と、男性が圧倒的に多い結果が出た。しかし、この結果は対象年齢が15〜39歳で、主婦や家事手伝いは対象外になっている。実はこの調査には計上されていない、女性のひきこもりが数多く存在しているといわれているのだ。

 

「これまで、ひきこもりの自助会は参加者の9割が男性で、女性が本音で交流できる居心地のよい場所ではありませんでした。特にひきこもりの女性は、父親や学生時代の教師との関係にトラウマがあるなど、男性恐怖症の人も多いのです」(恩田さん)

 

そうした経緯があり、UX女子会は“男子禁制”に。同じ経験をした女性が安心して集まり、ゆっくり語り合える場所を目指しているという。会の基本構成は、第1部が主宰メンバーの体験談、第2部が交流会。第2部はひきこもりを含む生きづらさを感じている当事者しか参加できない。10月初旬に東京・表参道で行われた会の第1部に、女性記者が密着した。

 

14時、UX女子会がスタート。81人もの人が集まり、会場は満席。この日の第1部は、主宰メンバーの林恭子さんが出演したDVDの観賞会だ。林さんが高校時代からひきこもりになった経緯や、トラウマとなっていた母娘関係について語る映像が流された。

 

「私たちの体験談を聞いてもらうのは、同じ経験をした者同士なのだと改めて認識してもらいたいから。第2部で皆さんが話をしやすくする狙いもあります」(恩田さん)

 

休憩を挟み、第2部の交流会に突入したが、取材はNG。ここでは「親子関係」「働く」「自立」などのテーマを4〜5人グループで話し合う。話したくない人は無理をせず、聞いているだけでもOKだ。交流会が終わり、参加者に声をかけてみた。

 

2人の子どもを持つ朋美さん(48歳・仮名)は専業主婦。10年以上、ほぼひきこもり生活をしていたそう。

 

「ずっと1人で鬱々としていたけど、本当は自分以外の人の話も聞きたいし、私も話したかった。この会の存在を知ったのは2カ月以上前。行こうとしてはやめるのを4回繰り返し、勇気を振り絞って、今回やっと参加できました」(朋美さん)

 

会に参加するための体力をつけようと、自宅から少し離れたところまで自転車で行くなどの準備をしていたと、恥ずかしそうに明かしてくれた。恩田さんは、朋美さんのような参加者も多いのだと語る。

 

「常時、精神的につらくてしんどいと思っている人ばかりです。参加しても大丈夫か、きちんと交流できるか、浮かないか、そもそも電車に乗れるかなど、何度も葛藤を繰り返して、やっとの思いで来てくれる方がほとんどなんです」(恩田さん)

 

女性は共感性が高いため、自分の思いを他者と分け合うと、気持ちが軽くなる人も多いと、恩田さんは言う。

 

「主宰者の私たち自身も、人との出会いのありがたさを実感しています。自分の思いを表現して理解してもらい、相手の反応により他者を理解する。そうしてゆっくりと回復していけると信じています」(恩田さん)

 

本音で語れる仲間との出会いが、ひきこもりの女性たちに勇気を与えているーー。

 

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